1.老朽化した不要部屋のリフォーム実施

 前橋市で新築注文住宅を建てずっと母と一緒に暮らしていました。私は4人兄弟の末っ子で50歳、母は85歳になっていました。体の強い人で病気にはなっていませんでしたが、いわゆる認知症が発症して私の家族が妻とか子供が世話をしていましたが、其れもそれぞれが忙しくなってきて、十分に対応できくなってきました。それで1年前に近隣の高齢者をはいる老健施設に入所して、母はいなくなりました。母はずっと一つ部屋を占拠して使っていましたが、それが使わなくなり、そのままにしていましたが、その部屋に戻ってくることはないだろうということで、グチャグチャになっている部屋を整理清掃してリフオームをかけることになりました。母の城である部屋を触ることは、もう母が帰ってこないという悲しい現実を受け入れることになるので、最終決断する時は複雑な思いにはなりました。

2.リフォーム実施と思わぬハプニング

9畳の大きな部屋を母は一人で使っていました。和式のテイストの部屋でしたが、すっかり様式のおしゃれな部屋に作り替えることに、実は母に対して、少し申し訳ない、元気ならば大反対するだろうという思いが私の中で現れました。ただ古臭い部屋がお洒落なリビングに変わっていく姿を見てしまうとそんなことはすっかり忘れてしまいました。最初「おばあちゃん、帰ってきたら・・」と不安そうなことを言っていた子供も大変気に入って、そこでわいわいと集まって遊ぶようになりました。そんな矢先に、予期せぬハプニングがありました。施設にはぃつている母が、体調が良くなり、一時的に家に帰ってくることになりました。病気が少し良くなったのは嬉しいことではありました。ただ母が帰ってきて「私の部屋は・・・」という展開になることは非常に辛いことではありました。

3.やっぱり、リフォームして良かった

いろいろありましたが、やっぱりリフォームして良かったと思っています。母の頭は少し戻っていましたが、自分の部屋が無くなっていることに関してはあまりわからず、むしろリフォーム実施の新しい部屋をいたく気に入り、大変喜んでくれたのでした。論理的にはおかしな事柄ではありますが、新しい部屋にずっといて孫たちとやり取りしていました。母はまた施設に帰りましたが、時々戻ってくるときはその部屋にいるのが一つの形になりました。